
ゴルフの女神の気まぐれ:ラブ・オブ・ザ・グリーン
競技であるゴルフは、巧みな技術と周到な戦略が求められることはもちろんですが、時には思いもよらない出来事が試合の行方を左右します。完璧な一打を放ったにもかかわらず、不運な出来事が起こり、望ましくない結果に終わることも珍しくありません。例えば、狙い通りの美しい放物線を描いたボールが、地面に跳ね返った際に小石に当たり、大きくコースを外れてしまう、あるいは、グリーン上を順調に転がっていたボールが突然の突風にあおられ、カップから大きく遠ざかってしまう、などといった具合です。このような予期せぬ事態は、ゴルフ規則において「芝生の戯れ」と呼ばれ、競技の難しさと同時に、その魅力の一つとされています。「芝生の戯れ」は、誰の責任でもなく、単に偶然に起こるものと捉えられています。それゆえ、プレーヤーは、これらの不測の事態に動じることなく、冷静に受け入れることが重要です。想定外の出来事が起こった時、感情的に怒ったり、落胆したりするのではなく、現状を受け入れ、次の最善手を考えることが求められます。深いラフにボールが埋もれてしまったら、そこから脱出する方法を、強風が吹いていたら、風の影響を計算に入れて、狙いを定める必要があります。「芝生の戯れ」は、プレーヤーの精神力、そして対応力が試される場面とも言えます。どのように困難な状況を乗り越えるか、その過程こそがゴルフの醍醐味であり、プレーヤーの真価が問われる瞬間です。ゴルフとは、技術、戦略、そして精神力の三位一体によって成り立つ競技と言えるでしょう。「芝生の戯れ」を受け入れることで、ゴルフの奥深さを改めて感じることができるはずです。