
厄介な目玉脱出法
砂の中に深く潜り込んだボールは、まるで砂浜に産み落とされた亀の卵、あるいはフライパンの上で焼かれる目玉焼きのように見えます。ゴルフでは、これを「目玉」と呼びます。バンカーショットで遭遇するこの状況は、多くのゴルファーにとって悩みの種です。
目玉は、柔らかく湿った砂質のバンカーで起こりやすい現象です。雨が降った後や、バンカーの整備直後などは特に注意が必要です。上から落ちてきたボールは、勢いよく砂の中に潜り込み、深い穴を作ってしまうのです。乾いた硬い砂であれば、ボールは砂の上で跳ね返りますが、水分を含んだ砂は粘土のようにボールを絡め取ります。
目玉からの脱出は至難の業です。通常のバンカーショットのように、砂を爆発させてボールを打ち出すことはできません。ボールの大部分が砂に埋もれているため、クラブの面がボールにうまく当たりません。下手な打ち方をすると、ボールはほとんど動かず、そのまま砂の中に留まってしまうこともあります。あるいは、思わぬ方向へ飛び出す可能性もあります。
しかし、諦める必要はありません。正しい打ち方と適切な道具を選べば、目玉から脱出することも可能です。まず、サンドウェッジなどのフェースを開いたクラブを選びます。そして、ボールの少し後ろを狙って、鋭く振り下ろします。狙いはボールではなく、ボールの数センチメートル後ろの砂です。この時、手首を柔らかく使い、砂を下から上へ掻き出すようにスイングすることが重要です。
目玉は確かに難しい状況ですが、落ち着いて状況を判断し、的確な一打を放てば、必ずしも大叩きになるとは限りません。日頃から練習場で目玉からの脱出方法を練習しておけば、いざという時に役立つでしょう。