
広がる可能性、周辺重心設計の魅力
周辺重心設計とは、ゴルフクラブの頭部、とりわけ鉄製のクラブにおいて、頭部の外側の部分に重さを分散させる設計方法のことです。クラブの打つ面の周りの縁に重さを集めることで、うまく当たる場所を広げ、中心からずれて当たった時の飛距離の減少や方向の乱れを少なくする効果が期待できます。
従来の刃のような形をした鉄製のクラブでは、中心を外した打撃は飛距離が大きく落ち込み、方向も不安定になりがちでした。しかし、周辺重心設計を取り入れることで、ミスへの許容範囲が広がり、より安定した打撃が可能となります。これは、中心を外れて打った場合でも、クラブの回転が少なくなり、ボールの初速と方向性が維持されるためです。
具体的には、クラブの頭部の外周部にタングステンなどの比重の高い金属を埋め込んだり、空洞部分を設けることで重量配分を調整します。これにより、同じ大きさの頭部でも、重心の位置を周辺に移動させることができます。また、周辺重心設計は、単にミスヒットへの強さだけでなく、ボールの上がりやすさにも影響を与えます。重心が外側にあることで、打撃時にクラブの重心が上がりやすくなり、ボールが高く打ち出される傾向があります。
このように、周辺重心設計は、初心者から上級者まで、幅広い層の打ち手に利点のある設計と言えるでしょう。特に、初心者にとっては、ミスヒットの不安を軽減し、ゴルフの楽しさを早く味わう助けとなります。上級者にとっても、より安定した飛距離と方向性を追求する上で、大きな武器となるでしょう。近年では、多くのメーカーがこの設計を取り入れており、様々な種類のクラブでその効果を実感することができます。