
魔物?ゴルフのイップスを理解する
巧みな技と揺るぎない心、両方が求められるゴルフという競技には、時に競技者を心の奥底から追い詰める魔物が潜んでいます。その魔物とは「イップス」です。イップスは、パットやアプローチショットといった短い距離の打撃において、極度の緊張から滑らかな動きができなくなり、ミスショットを繰り返してしまう症状を指します。まるで自らの意思とは無関係に体が動いてしまうかのような感覚に陥り、その恐怖は実際に体験した者にしか理解できないでしょう。
本来であれば容易なはずの打撃が、イップスのためにとてつもなく難しく感じられ、得点に大きな影響を与えます。例えば、ほんの数十センチメートルのパットを外してしまう、あるいはグリーン周りからのアプローチで大きくミスしてしまい、大叩きにつながる、といった具合です。このようなミスが続くと、競技者は自信を失い、さらに緊張が高まり、イップスを悪化させるという悪循環に陥ってしまいます。
イップスの原因は、技術的な問題というよりも、精神的な問題であると考えられています。過度のプレッシャーや過去の失敗体験などが、無意識のうちに体に悪影響を与え、スムーズな動きを阻害してしまうのです。場合によっては、この症状が深刻化し、「イップス病」と呼ばれることもあります。
多くの競技者にとって、イップスは乗り越えるべき大きな壁の一つと言えるでしょう。イップスを克服するためには、専門家の指導を受けたり、精神的な訓練を取り入れたりするなど、様々な方法が試みられています。焦らず、じっくりと時間をかけて、自分にあった解決策を見つけることが重要です。イップスに悩まされている競技者は決して少なくありません。一人で抱え込まず、周囲に相談することも克服への一歩となるでしょう。