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ゴルフボール:小さな球に秘められた科学

丸い形をした競技用具、ゴルフ球は、直径およそ4.3センチメートル、重さおよそ45グラムという小さなものです。一見すると単純な丸い物体に見えますが、その小さな体の中には、高度な技術と科学が詰め込まれています。まず目に留まるのは、表面にたくさん刻まれた小さな窪みです。これは「えくぼ」と呼ばれ、ただの飾りではありません。空気の抵抗を少なくし、浮く力を高めるという大切な役割を担っています。えくぼがあることで、球の周りの空気の流れが変わり、滑らかな球よりも遠くまで飛ばせるのです。 えくぼの、形や数、深さなども、球の飛び方に影響を与えます。例えば、えくぼの数が多いと、空気抵抗が減り、球は遠くまで飛びます。逆に、えくぼの数が少ないと、空気抵抗が増し、球はあまり遠くまで飛びません。また、えくぼの深さも重要です。えくぼが深いと、空気の流れが乱れやすくなり、球の軌道が不安定になります。逆に、えくぼが浅いと、空気の流れが安定し、球の軌道も安定します。このように、えくぼの形や数、深さは、球の飛び方に大きな影響を与えるため、製造会社は様々な工夫を凝らし、それぞれの球に最適なえくぼ模様を開発しています。 球の中身にも、科学が隠されています。中心には核があり、その周りを覆う層が幾重にも重なっています。核の素材や層の構成、硬さなどによって、球の弾力性や反発力が変わり、飛距離やスピン性能に影響を与えます。そのため、製造会社は、様々な素材や構造を試し、それぞれの球に最適な組み合わせを探求しています。このように、ゴルフ球は、小さな体に、航空力学をはじめとする様々な科学技術が詰め込まれた、まさに科学の結晶と言えるでしょう。