
LW:アプローチの極意
「寄せる」を極めるための飛び道具、それが「ロブウェッジ」です。別名「エルダブリュー」や「エルウェッジ」とも呼ばれるこのクラブは、ゴルフクラブの中でも、特に繊細なアプローチショットを可能にする、いわば職人のための道具です。
グリーン周りの難しい場面でこそ、その真価を発揮します。例えば、深い草や砂の中に沈んだボール、あるいはバンカー越えのショットなど、他のクラブでは脱出が困難な状況でも、ロブウェッジは活路を開いてくれます。まるで魔法のように、ボールは高く舞い上がり、グリーンに着地すると同時にピタリと止まります。
このクラブの秘密は、その独特な形状にあります。他のウェッジと比べて、フェース(ボールを打つ面)の傾斜角度、いわゆる「ロフト角」が大きく、通常は60度前後が主流です。この大きな角度こそが、ボールを高く打ち上げ、多くの回転をかけることを可能にしているのです。高く上がったボールは滞空時間が長くなり、グリーンに落ちた後も、強い回転によってすぐに止まります。
ただし、高い性能を持つがゆえに、使いこなすには熟練の技と経験が必要です。ボールとクラブフェースのわずかな接触の違いが、ショットの結果に大きな影響を与えます。繊細なタッチと正確な距離感が求められるため、初心者には少々難しいクラブと言えるでしょう。しかし、練習を重ね、その特性を理解すれば、まるで魔法の杖のように、思い通りのショットを繰り出すことができる、頼もしい相棒となるはずです。技術を磨いて、このクラブを使いこなせるようになれば、あなたのゴルフはきっと新たな次元へと進化するでしょう。