
ゴルファーの隠語:Sワードの謎
打ち損じの中でも特に恐れられているのが、俗に『ネック』と呼ばれるクラブヘッドとシャフトの接続部分にボールが当たってしまうミスショットです。このミスは『シャンク』と呼ばれ、ボールが大きく右方向へ飛び出してしまうため、コースを大きく外れてしまうだけでなく、一度発生すると連鎖的に繰り返してしまうという恐ろしい特徴があります。まるで悪い癖のように、一度このミスを犯すと、そのイメージが頭から離れず、何度も同じミスを繰り返してしまうのです。
その深刻さから、『シャンク』という言葉を発することさえ、ゴルファーの間ではタブーとされています。まるで災いを招く呪文のように、その名を口にすることさえ忌み嫌われ、『シャンク』の代わりに『あの言葉』『禁句』などと言い換えられたり、『Sの言葉』と婉曲的に表現されたりします。
この言葉がタブー視される背景には、ゴルフという競技の精神性も関係していると考えられます。ゴルフは技術だけでなく、精神的な要素も大きく影響する競技です。集中力や平常心を保つことが重要であり、『シャンク』という言葉を発することで、ネガティブなイメージが頭に浮かび、プレーに悪影響を及ぼすことをゴルファーたちは恐れているのです。そのため、『シャンク』という言葉は、ゴルファーたちの間では暗黙の了解として、発することを避けるべき言葉となっているのです。
まるで闇の魔法の呪文のように、その名前を口にすることさえ恐れるゴルファーたち。それほどまでに、『シャンク』はゴルファーにとって、避けたいミスショットなのです。