
根強い人気!ピン型パターの魅力
木製の球を打ち合う遊びから発展してきたゴルフは、長い歴史の中で道具も大きく変化してきました。中でも、カップインを狙うために用いるパターは、その形状も様々です。数あるパターの中でも、「ピン型パター」は、その独特な形状と歴史から、多くの愛好家を持つ特別な存在です。ピン型パターが生まれたのは、20世紀半ばのこと。創業者であるカーステン・ソルハイム氏は、自宅の作業場で、偶然にも画期的なパターを生み出しました。当時主流だった、刃のような形状のパターとは異なり、ピン型パターは、L字型のシャフトと円盤状のヘッドが特徴です。この形は、重心をヘッドのフェース面に集中させる効果があり、正確な方向へボールを転がしやすくなっています。また、ヘッドの後ろ側に重量を配分することで、慣性モーメントを高める効果も生まれました。そのため、多少芯を外しても、距離感が安定し、狙った場所へボールを寄せやすくなりました。誕生当初、その特異な形状から、ゴルフ愛好家からは疑問の声も上がりました。しかし、実際に使ってみると、その優れた性能と使いやすさは、たちまち評判となりました。そして、その評判は瞬く間に広がり、多くの競技者がピン型パターを手に取り始めました。さらに、偶然にも打球音が金属的な高い音「ピン」と聞こえたことから、「ピン型パター」という名前が定着しました。今では、数多くの製造会社が、似たような形のパターを製造販売しています。ピン型パターは、ゴルフクラブの歴史において、その革新性と完成度の高さから、時代を超えて愛され続ける名器と言えるでしょう。