
中尺パター:ベリーパターの興隆と衰退
腹パターとは、その名の通り、お腹に握りの端を近づけて構える中尺パターのことです。標準的なパターに比べて柄が長く、おへそのあたり、あるいはその少し上に握りの端が来るように作られています。この長さのおかげで、パターを振り子のように動かしやすくなるという利点がありました。
一般的なパターでは、手首の動きが打つことに影響を与えやすく、距離のつかみ方や方向が不安定になることがあります。腹パターを使うことで、手首の動きを抑え、より安定した打ち方ができると考えられました。そのため、特に短いパットで安定感を欠くアマチュアの打ち手達を中心に、広く使われるようになりました。
長いパターもありますが、腹パターは長いパターよりも柄が短く、握りの端があごの下に来ることはありません。長いパターは、さらに手首の影響を取り除き、体全体を使った打ち方を可能にするものです。標準的なパターと長いパターの中間に位置するのが腹パターと言えるでしょう。
腹パターを使うことで、パッティングの際に生じる手首の余計な動きを最小限に抑えられます。これは、パターの軌道が安定し、狙った方向へ正確にボールを打ち出せることに繋がります。特に、短い距離のパットでは、わずかな手首の角度の違いが大きな誤差を生むため、腹パターの安定性は大きな武器となります。
しかし、腹パターは体に固定して打つため、繊細なタッチや距離感を出しにくいという側面もあります。そのため、長い距離のパットや、傾斜の強いグリーンでは、使いこなすのが難しいと感じる打ち手もいます。また、慣れないうちは、アドレス時の握りの位置や体の向きに注意が必要で、練習を重ねて最適な構えを見つけることが重要です。
道具に頼るだけでなく、基本的なパッティングの練習も怠らないようにしましょう。