
ゴルフコースの思わぬ落とし穴:異常なコース状態
芝生の上を風が吹き抜け、心地よい日差しの中で楽しむはずのゴルフも、時として思いもよらない落とし穴が待ち受けていることがあります。それは、コース上に突如として現れる水たまりです。前日の雨や、早朝の散水作業によってできた水たまりは、一見大したことがないように見えても、プレーヤーにとっては大きな障害となることがあります。せっかく狙いを定めて打ったボールが水たまりに沈んでしまったら、飛距離も方向も大きく狂ってしまうからです。
しかし、ゴルフのルールは、このような不測の事態にもしっかりと対応しています。水たまりに入ったボールは、罰則なしで救済を受けることができるのです。救済を受けるためには、まず元のボールの位置を確認します。そして、その位置を基準に、ホールに近づかない場所、かつ水たまりに入らない場所を探します。この場所を見つけることが、適切な救済を受けるための第一歩です。次に、見つけた場所からクラブの長さを半径とした円の内側にボールを落とします。クラブの長さは、プレーヤーが普段使っている最も長いクラブを基準とします。つまりパターを除いたクラブの中で一番長いクラブです。この手順を正しく踏むことで、水たまりから救済されたボールを、改めてプレーすることができます。
重要なのは、水たまりの大きさや深さは関係ないということです。たとえボールがわずかに水に触れている程度であったとしても、プレーヤーは救済を受ける権利があります。ゴルフは、技術だけでなく、自然との駆け引きを楽しむ競技でもあります。しかし、予期せぬ事態によってプレーが左右されることがないよう、ルールによって公平性が守られているのです。このルールは、すべてのプレーヤーが平等な条件でプレーできるよう配慮されており、ゴルフの精神を体現していると言えるでしょう。