パット

一面の緑色に覆われたゴルフの舞台、グリーン。一見平らにならされているように見えても、実はそこに芝の向きという隠れた要素が存在します。それが「芝目」です。芝はそれぞれ生育する向きがあり、その向きに傾斜しているため、ボールの転がり方に大きく影響を及ぼします。この芝目を正確に見極めることは、パッティングの成功、ひいてはゴルフの腕前向上に欠かせないのです。 芝目が順目の場合、ボールはまるで油をひいたように滑らかに転がり、思った以上に遠くまで進んでしまうことがあります。逆に芝目が逆目の場合、ボールの勢いは芝に阻まれ、予想よりも転がりが短くなるだけでなく、進む方向も微妙に変わってしまうことがあります。したがって、パッティングをする際には、この芝目の影響をしっかりと頭に入れておくことが重要です。上手な選手はグリーンに立つと、まず最初にその場の芝目の向きを注意深く観察します。まるでグリーンと対話するかのように、わずかな傾斜や芝の色の濃淡、風の向きなど、あらゆる情報を手がかりに芝目を読み解き、正確なパッティングを実現しているのです。 芝目は天候や季節、ゴルフ場の管理状況などによって常に変化します。また、同じグリーン上でも場所によって芝目が異なる場合もあります。そのため、一回一回のプレーで注意深く観察することが大切です。一見すると小さな要素に思えるかもしれませんが、この芝目を制することが、良い点数を出すための大きな鍵を握っています。芝目を読む技術はすぐに身につくものではありません。練習を重ねることで、徐々にその微妙な変化を感じ取ることができるようになります。そして、その技術を習得したとき、ゴルフの奥深さを改めて実感することでしょう。まずは順目と逆目の違いを意識することから始めてみましょう。そして、経験を積む中で、他の要素も考慮しながら、芝目を読む技術を磨いていくことが大切です。芝目を読むことで、ゴルフはより一層面白く、奥深いものになるでしょう。