
ニヤレストポイント:ゴルフ規則の基礎知識
打ちっ放しや練習場とは違い、自然の中で行うゴルフには、思わぬ出来事がつきものです。ボールがうまく飛んだと思っても、コースの整備のために地面が掘り返されている場所(修理地)や、雨でできた水たまり(一時的な水)に入ってしまうこともあります。このような場合、そのまま打つのは難しいですし、打ちにくい場所にボールがあることで、本来の実力が発揮できないこともあります。そこで、ゴルフ規則では、プレーヤーが不利にならないように、ボールを別の場所に動かしてプレーを続けることができる救済処置が定められています。その救済処置のひとつが「ニヤレストポイント」です。
ニヤレストポイントとは、読んで字のごとく「最も近い場所」という意味です。修理地や一時的な水に入ったボールを拾い上げて、元の場所から最も近い、プレーに支障のない場所にボールを置き直すことができます。ただし、この「最も近い場所」は、元のボールがあった場所よりもホールに近づいてはいけません。また、グリーン上にある障害物に対してはニヤレストポイントの救済は受けられませんので注意が必要です。置き直す場所は、元のボールの位置から見てホールと反対方向になり、元の場所よりもホールから遠くなります。ボールを置き直す際は、ボールを拾い上げた元の場所からクラブヘッド1本分以内の範囲で、地面に直接置く必要があります。ティーアップして打つことはできません。
ニヤレストポイントは、ペナルティなしで利用できる救済処置です。スムーズなプレーの進行を妨げることなく、公平にプレーを楽しむために、この規則を正しく理解しておくことは大変重要です。ゴルフ規則は複雑で難解な場合もありますが、一つずつ理解していくことで、よりゴルフを楽しむことができるでしょう。安心してプレーに集中し、自然の中で気持ちよくプレーするために、ぜひニヤレストポイントのルールを覚えておきましょう。